「小飼弾のアルファギークに逢ってきた」を読みました
「小飼弾のアルファギークに逢ってきた」を読みました。
発売直後、近くの本屋を梯子して探したのですが見つからなかったので、結局 Amazon で注文しました。
小飼弾のアルファギークに逢ってきた (WEB+DB PRESS plusシリーズ)
- 作者: 小飼弾
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2008/04/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 19人 クリック: 834回
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大変読み応えがありました。せっかくなので、各章で印象に残ったフレーズをメモ。
#0 Ruby on Rails開発者 David Heinemeier Hansson
David Heinemeier Hansson
我々は、簡単なことをより簡単にしたいと考えています。簡潔なものは簡潔なままに留めておきたいので、成長するに従って会社は当然大きくはなっていくけれど、なるべく少ない従業員でそれを実現したい。
#2 Perl開発者 Larry Wall
Larry Wall
<<(私は)金持ちです。>> どれだけ持っているかではなく、どれだけ与えることができるかというのが金持ちの定義なら。
#3 livedoor 池邉智洋/谷口公一/ma.la
ma.la
土地に制約を受けている人が山ほどいるっていう感じがする。今地方で、ひっそりとコソコソ、何かおもしろいものを、1人で何か核兵器とか作っているような人がたぶんたくさんいるには違いないんだろうけど、そういう人たちが東京にいないと出会えない状況が、すごくもったいないと思う。そういう人は、ネットワークを通じてもうまくつながれないような気がする。それをネットワークが救うかっていったら、今のところあまり救えていない。救えていないから、それをなんとかしないとあれかなぁって。
#4 Twitter Co-founder Evan Williams
小飼弾
ウェブサイトを作るにあたって最も重要なことは? 2.0でなくてもいいので(笑)。
Evan Williams
情熱かな。できると見込んだらやる、という。人を見るときには、技術力よりもその人の持っている情熱に注目している。ウェブはまだ15歳ぐらいで、可能性はまだまだたくさんある。そういうところでは、「それを貫く能力」より「好きを貫く」力のほうがものをいう。「できるからやる」というのは、新しいことをやるには向いていない。
#5 The Seasar Project チーフコミッタ ひがやすを
ひがやすを
すごい技術があって、それに負けたままなんて悔しくないですか? そこは、かなわないからお前に任せたなんて、私は逃げたみたいでいやですね。競い合ってこそ、技術は向上していくんだと思います。Javaは、言語的にはHOT Deployのしくみは提供していませんが、工夫次第で何とでもなる。常に挑戦し続けたいですね。
#6 「達人プログラマー」著者 Dave Thomas
Dave Thomas
ソフトエンジニアというものはありません。少なくともまだないです。どういうことかというと、これ以上削れないところまで削るのがエンジニアリング。これ以上削れないところまで削るということは、どこまで削るとそれが壊れてしまうかというのが分かっているということです。まだソフトウェアに関しては我々はそのレベルには達していないんです。達していないから、まだソフトウェアエンジニアという言葉というのは嘘である。
#7 Pathtraq/Japanize 奥一穂
奥一穂
もう1つはじゃあ最初の母集団が尖っててそもそも問題なのかっていうところで、メディアの価値っていうのはデータを送る人と受ける人の落差なんですよ。そういう意味で言うと、みんなが使っていて、みんなが見たあとのページの情報をとっても実は全然メディアとしての意味がない。統計としては意味がありますけど、たぶんそれだとそんなに需要がない。だからやっぱりできるだけ、まずはニッチな人に使ってもらって、それまでニッチじゃない人にとって便利なツールになる。そういう形で、一番上にいる人たちと、その次の人たちの間でまずコミュニケーションができる。そういうふうにできればいいと思っているので、最初に尖っている人(のログ)が取れているっていうのは正解なんだろうと思っています。逆にそういう形にしないと、一気にマスを狙うっていうのはなかなか難しいですよね、資本的な問題とか、コミュニケーションの問題とか。
#8 Mozilla Corporation/jQuery開発者 John Resig
小飼弾
ただのエンジニアとすごいエンジニアを分けるものは何でしょう?
John Resig
あえて機能を追加しないことができる人がすごいエンジニアだと思います。すなわち具体的に何が重要であり、かつ何が重要でないかということを理解したうえで、その理解のもとで最適化ができる人。
#9 「Binary2.0」「スルー力」提唱者 高林哲
高林哲
「粘り強さ」じゃないですか。「深追い」ってぼくは呼ぶんですけど、問題を解決する場面で、わかるまで調べると。デバッグとかもそうじゃないですか、気分転換して、ぱっとひらめくときもありますけども、自分がしでかしたバグだったらけっこうひらめくこともあると思うんですけど、他人のプログラムって徹底的に調べていかないと…。
小飼弾
もう地の果てまでも。
高林哲
追いかけていかないといけないですよね。そのときにどこまで追いかけるかっていう、忍耐力っていうか粘り強さが必要かなと。ぼくなんかは、今日はもうこれでおしまいと諦めるときがあるんですけど、どんどん追いかける人は地の果てまで行っちゃうんで。たいしたもんだなと思います。
#10 Perl Mongers Ingy dot Net/Dave Rolsky/Jesse Vincent/C.L. Kao
DANKOGAI
「優れたエンジニア」として重要なのはどんなことだと思いますか?
(中略)INGY
プログラマー以外の視点を持つっていうのもものすごい重要。たとえばCLKAOにとっての料理とか、Daveにとっての音楽とか。そうやって外からの視点を持っていると、ちゃんと使う人の意見に耳を傾けられる。
#11 IT戦士 天野仁史/こんにちはこんにちは! はまちや2
小飼弾
多くのユーザが利用するウェブアプリケーションですが、開発する上でもっとも重要なことは?
はまちや2
勢いですね!
天野仁史
あー勢い重要ですね!
はまちや2
何か思いついたら、その日のうちに、実際に動くプロトタイプを作っちゃうくらいの勢い。
小飼弾
作って出しちゃうっていうのは、本当重要だよね。それが本当に肌でわかったのは、ブログを書き出してから。変なクオリティのものを人様に出せるかいではなくて、出してもいいんですよ。人に突っ込まれたらそのときに直せばいい。